月刊アニメージュ2015年4月号
「ガンダム Gのレコンギスタ」総監督・富野由悠季 1万字インタビュー 一部
——しっかり考察すると、面白い筋立てだと思いますよ。
でも、表面に見えるところとしては……あまり視聴者に易しくないですね。
富野:ええ、徹底的に易しくない作品です。本当はもっと、キャラクターに感情移入
できないといけないのに、一話一話で語るべきことが多すぎて、感情を描写している隙間が
なかったんです。
構造で言えば面白いはずなのに、なんで観ていてこんなに面白くないのか、
ということですよね。本当に申し訳ないです。でも、ようやく1月半ばに、最終話までの
絵コンテが完成して、僕もダビング作業(映像に台詞、効果音、音楽などをつける作業に)
に付き合う余裕が出てきました。そこで、かなり調整をかけることができました。
録音スタッフも、これまで、こういう方法論の作品に携わったことがなかったんでしょう。
第12話くらいから年末年始あたりは「G-レコ」がとっちらかった作品に見えていたと
思います。でも、第22話くらいからはハッキリと化けると思います。
——それは楽しみです。
富野:とはいえ、作品の骨格は何も変わっていません。
「このアニメ、ダメだね」という評価に関しては、ぐぅの音も出ません。
皆さんからの袋叩きはすべて受け入れます。でも、「こうやれば、もっと上手く出来たんだ!」
ということも、ここへきてようやく確信できましたので、ズケズケ言っていただいて構いません。
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